
「最近、硬いものが食べにくくなった」「食事中にむせることが増えた」——こうした変化は、加齢による咀嚼(噛む力)や嚥下(飲み込む力)の低下のサインです。
食べにくさを放置すると、食事量が減って低栄養になったり、誤嚥性肺炎のリスクが高まったりします。
この記事では、噛む力・飲み込む力が弱くなってきた方でも美味しく食べられる食事の工夫と、家政婦(ケアワーカー)による食事サポートをご紹介します。
加齢とともに、歯の喪失・唾液分泌の減少・口腔周囲の筋力低下などにより、食べ物を噛んで飲み込む機能が低下します。
嚥下機能の低下は、食べ物や飲み物が気管に入ってしまう「誤嚥」のリスクを高めます。
誤嚥が繰り返されると、「誤嚥性肺炎」を引き起こす可能性があり、高齢者の肺炎の多くが誤嚥性肺炎とされています。
「むせる」「食事に時間がかかる」「食後に声がかすれる」などの症状が見られたら、早めに医師や言語聴覚士に相談しましょう。
食べにくさを感じると、食事量が減り、低栄養・体重減少・フレイルにつながります。
「食べることが怖い」「食事が楽しくない」という気持ちになり、食欲がさらに低下する悪循環に陥ることがあります。
食べやすい食事の工夫をすることで、食事の楽しみを取り戻し、必要な栄養をしっかり摂ることができます。
口腔ケア(歯磨き・入れ歯の手入れ・口腔体操)も、咀嚼・嚥下機能の維持に重要です。
食べにくさの程度に応じて、食事形態を調整することが重要です。主な食事形態は以下の通りです。
【普通食】一般的な食事。噛む力・飲み込む力が十分な方向け。
【やわらか食(ソフト食)】食材を柔らかく調理したもの。歯が弱い方・噛む力が低下した方向け。
【ミキサー食(ペースト食)】食材をミキサーにかけてペースト状にしたもの。噛む力がほとんどない方向け。
【とろみ食】飲み物や汁物にとろみをつけたもの。飲み込む力が低下した方向け。
市販の「とろみ剤」(片栗粉・市販のとろみ調整食品)を使うことで、飲み物や汁物を飲み込みやすくすることができます。
とろみの強さは「薄いとろみ」「中間のとろみ」「濃いとろみ」の3段階があり、嚥下機能の状態に合わせて調整します。
とろみが強すぎると逆に飲み込みにくくなる場合があるため、適切な濃度を見つけることが重要です。
嚥下機能の評価は、医師や言語聴覚士に相談することをお勧めします。
【材料(2人分)】鮭の切り身2切れ・だし汁200ml・醤油大さじ2・みりん大さじ2・砂糖大さじ1・生姜少々
【作り方】①鍋にだし汁・醤油・みりん・砂糖・生姜を入れて煮立てる。②鮭を加え、落し蓋をして弱火で15〜20分じっくり煮る。③箸でほぐれるくらいやわらかくなったら完成。
魚は煮ることで柔らかくなり、骨も取り除きやすくなります。鮭はタンパク質・ビタミンDが豊富で栄養価も高い食材です。
煮汁にとろみをつけると、さらに食べやすくなります。
【材料(2人分)】絹ごし豆腐1丁・にんじん1/4本・ほうれん草2株・だし汁300ml・醤油大さじ1・みりん大さじ1・片栗粉大さじ1(水大さじ2で溶く)
【作り方】①にんじんは薄切りにして柔らかく茹でる。ほうれん草は茹でて細かく刻む。②だし汁・醤油・みりんを煮立て、野菜を加える。③水溶き片栗粉でとろみをつける。④豆腐を一口大に切って器に盛り、あんをかける。
絹ごし豆腐はやわらかく食べやすく、高タンパクで栄養価も高い食材です。あんかけにすることで飲み込みやすくなります。
野菜はよく煮て柔らかくすることで、噛む力が弱い方でも食べやすくなります。
【材料(2人分)】卵2個・だし汁300ml・醤油小さじ1・みりん小さじ1・塩少々・具材(鶏肉・えび・三つ葉など)
【作り方】①卵をよく溶き、だし汁・醤油・みりん・塩を加えてよく混ぜ、こし器でこす。②具材を器に入れ、卵液を注ぐ。③蒸し器で弱火で15〜20分蒸す(または電子レンジで加熱)。
茶碗蒸しはやわらかく、噛む力がほとんどなくても食べられる料理です。卵でタンパク質もしっかり摂れます。
具材を細かく刻んだり、柔らかい食材(豆腐・かまぼこ)を使うことで、さらに食べやすくなります。
おかゆは消化が良く、噛む力が弱い方でも食べやすい定番の食事です。全粥・七分粥・五分粥など、水分量を調整して食べやすい硬さにしましょう。
雑炊は、ご飯に出汁・野菜・卵・魚などを加えて煮たもので、栄養バランスも取りやすい料理です。
おかゆに納豆・梅干し・とろろなどのトッピングを加えることで、食欲を高め、栄養価もアップします。
市販のレトルトおかゆも活用することで、食事準備の手間を省くことができます。
圧力鍋を使うことで、肉・根菜類などの硬い食材を短時間で柔らかく調理できます。
煮物は時間をかけてじっくり煮ることで、食材が柔らかくなります。前日に作って一晩置くとさらに柔らかくなります。
肉は繊維を断ち切るように切ることで、噛み切りやすくなります。薄切り肉・ひき肉・ミンチを活用するのも効果的です。
野菜は小さく切って十分に加熱することで、噛む力が弱い方でも食べやすくなります。
【食べやすい食材】豆腐・卵・魚(白身魚・鮭)・鶏肉(もも肉・ひき肉)・バナナ・アボカド・ヨーグルト・プリン・ゼリー
【注意が必要な食材】硬い肉(ステーキ・焼き鳥)・繊維質の野菜(ごぼう・れんこん)・粘り気のある食材(もち・こんにゃく)・パラパラした食材(ご飯・パン粉)
食べにくい食材でも、調理法を工夫することで食べやすくなる場合があります。
「食べたいけど食べにくい」という食材は、ケアワーカーに相談して食べやすい調理法を一緒に考えましょう。
「やわらか食やとろみ食の作り方がわからない」「毎日の食事準備が大変」という方には、家政婦(ケアワーカー)の食事準備サービスが最適です。
ご利用者の咀嚼・嚥下機能の状態に合わせた食事形態で、栄養バランスの良い食事を準備します。
好きな料理を食べやすい形に調理することで、「食べたいものが食べられる」喜びを大切にします。
食事の準備だけでなく、食事中の見守りや食後の口腔ケアのサポートも行います。
「食べることが怖い」「食事が楽しくない」という気持ちを抱えている方に、ケアワーカーが寄り添いながら食事をサポートします。
ゆっくりと時間をかけて、安心して食事ができる環境を整えることが、食事の楽しみを取り戻す第一歩です。
食事量や食欲の変化を観察し、必要に応じて家族や医療機関への情報共有も行います。
大橋サービスでは、食べやすい食事の準備から食事中のサポートまで、トータルでお手伝いします。お気軽にご相談ください。
噛む力・飲み込む力の低下は、適切な食事の工夫で対応することができます。
やわらか食・とろみ食・食べやすいレシピを活用して、食事の楽しみを保ちながら必要な栄養をしっかり摂りましょう。
家政婦(ケアワーカー)の食事準備サポートを活用することで、毎日の食事を安心して楽しむことができます。
大橋サービスでは、食べやすい食事の準備に関するご相談を随時承っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。