安心のたまてばこ

岩間先生の口腔ケア研修 レポート

今回は訪問診療で高齢者の口腔ケアに携わっている岩間聡一先生による口腔ケア研修。
口腔ケアの基本から具体的な手法までを教えていただきました。



まずは、ケアの準備と基本的な手順。
手袋、歯ブラシ、スポンジブラシ、ガーグルベースンなど。その他、必要に応じて保湿剤や歯間ブラシなど、ケアに使用する道具や薬剤の説明、続いて歯磨きの手順についての説明。高齢者の場合、寝たきりの状態で口腔ケアを行うことも多いので、ベッドの頭部を上げて30度くらいの傾斜を作り、喉頭と気管に角度をつけておくことも誤嚥を防ぐために大切なポイントになります。

また、麻痺があって口を正常に開けることが困難な人の場合、側臥位での口腔洗浄についてもわかりやすく図解で説明いただきました。
口腔ケアを習慣づけていないと口の中の問題だけでなく、口腔内常在菌が繁殖し誤嚥による肺炎などのリスクが高まることになります。

他にも口腔機能が衰えていき、食の楽しみがなくなると認知症が進んだり、栄養状態が悪化するなどの悪影響も心配されます。加齢による接触や嚥下器官の変化や味覚の変化、高齢者の食の悩みなどをひとつひとつ理解していくことで、ケアの必要性を強く感じることができました。

さらに高齢者に多いケアの拒否についても、フローチャートに従って拒否に至ってしまう心理も理解した上で、どう対応したらケアを受け入れてもらえるのかを実習を交えて習得しました。



認知症の高齢者はスプーンの先が歯や歯肉に当たると、痛みや不快感から拒食になりいつそう口を空いてくれないということもあるとのことで、頭頸部顔面、口腔周囲、口唇・頬・下訓練により近況をほぐす必要があります。岩間先生は一人ひとり丁寧にマッサージのやり方を指導してくださいました。歯ブラシやスポンジブラシを使ってのケアでも実際に自分の口でやってみないと力の入れ加減が分からないですね。



参加者からは、「思っていたより力を入れてもよいのね」「話しかけながらマッサージすると利用者様のリラックス加減やご気分も伝わるので、スムーズに口腔ケアに進むことができそう」などの感想が聞かれました。

わかりやすい資料をご準備くださっただけでなく、一人一人に丁寧にケアを実践、説明くださった岩間先生と歯科衛生士さんに本当に感謝の2時間でした。
どこまでも穏やかで爽やかで優しい笑顔を絶やさない岩間先生♡
研修が終わる頃には参加者全員が先生のフアンになっていて、とても楽しく学べた研修でした。また、第二弾も企画しますので今回参加できなかった方はぜひ、次回、体験してみていただきたいと思います。