19.04.26
「認知症サポーター養成講座」研修レポート
大橋サービスでは定期的に認知症についての研修を開催しています。
認知症の基礎知識から事例も交えての対応方法、最近の手法など、内容は多岐にわたりますが、毎回、多くの受講者が集まる人気講座となっています。
講師は陽和病院にて数多くの患者様やご家族の相談に対応してきたMSWの塚本寿美夫先生にお願いしています。
講座以外でも介護業務に従事しているケアワーカーさん達の悩みや相談にきめ細かく対応してくださる頼もしい先生です。
皆さんは「認知症サポーター」をご存知ですか?
オレンジのバンドを腕やスマホに付けている人を見かけたことがあるのではと思います。
あのオレンジバンドが認知症サポーターの証。
高齢化が進む中、認知症対策は緊急の社会問題となっています。
現在、都内の高齢者300万人のうち何らかの認知症の症状がある高齢者は約41万人とのことです。
この数字を見ても、認知症がかなり身近な問題であることが実感できますね。
2005年に「認知症の人と家族への応援者」の育成制度として「認知症サポーターキャラバン」が誕生しました。
認知症サポーター養成講座が全国で開催され、2017年3月末現在、サポーターは882万人に達しています。
認知症とはさまざまな原因で脳の細胞が死んでしまったりして、脳の司令塔の働きに不都合が生じ、いろいろな障害が起こり、生活するうえで支障がおおよそ6か月以上継続している状態を指します。
この認知症を引き起こす主な病気として、アルツハイマー病、レビー小体型、前頭葉型、脳血管性認知症などがあります。
今回はこれらの疾患の特徴とその症状について学んだうえで、対応について具体的にお話をお聴きしました。
認知症の人への対応の3つの「やってはいけない」基本
1、 驚かせない
2、 急がせない
3、 自尊心を傷つけない
実例として、夕食後に「まだ食べていない」という訴えがあった場合、「もう食べたでしょ」としかるのではなく訴えをそのままに受け止めて「そうだね。これから準備するから少しまってね」とおだやかに返事をすればよいというお話はまさに目からうろこでした。
先生いわく、「準備するから」と言っても、そのこともまたすぐに忘れてしまうのが認知症の症状なのだからとのこと。
なるほど、人を傷つけないならばウソも使いようですね。
さらには認知症の人への対応について、DVDを見てから間違った対応、正しい対応をそれぞれ検証しながらポイントを整理しました。
1、 まずは見守る
2、 余裕をもって対応する
3、 声をかけるときは一人ひとりで
4、 後ろから声をかけない
5、 相手の目を見て、やさしい口調で
6、 おだやかに、はっきりと
7、 相手の言葉に耳を傾けてゆっくり対応
認知症の方の視界の狭さについて、トイレットペーパーの芯から覗く感じという説明を聞くと、なぜ後ろから話かけることがNGなのかが理解できました。
今後、認知症の方に出会ったら今回の講座を思い出して、相手に不安を与えないように落ち着いて対応したいですね。
これからも大橋サービスでは定期的に認知症講座を開催しますので、ぜひ受講して基礎知識を身につけていただけたらと思います。